魔法先生ネギま!のアニメのサブタイトルはラテン語の格言(ことわざ)です。そのラテン語の格言(ことわざ)の紹介です!
ラテン語は、もともとはイタリアの南部のラティウム(Latium)というローマを中心とした地域(今はLazioと呼ばれるイタリアの州のひとつ)でラテン人使っていました。けれどもローマ帝国の公用語となったことによって、広大な範囲に広がりました。
今のローマ字から "j"、 "u"、 "w" を抜いた23文字のアルファベットで使われていました。今日の西ヨーロッパに相当する地域ではローマ帝国滅亡後もローマ教会の公用語となり、長い間文語の地位を保ちました。現在でもバチカン市国の公用語はラテン語です。
ただ、実際に使われているのは公文書やミサなどに限られ、日常的に話されているわけではありません。また、バチカンで使われるラテン語は、バチカン方言とでも言えるような変則的なラテン語になっています。
中世で公式または学術関係の書物の多くはラテン語で記されていました。ですので、現在でも学術関係の用語にはラテン語が残っています。例えば、生物の種名の命名はラテン語を使用する規則になっています。また、法学でも、多くのローマ法の法格言や法用語が現在でもラテン語で残っています。
19世紀までヨーロッパの各国の大学では学位論文はラテン語で書くことと決められていました。現代医学でも、解剖学用語は基本的にラテン語です。植物の学名にもラテン語が使われています。
また、今日のロマンス諸語(東イタリア語、ルーマニア語、スペイン語・フランス語など)は、ラテン語から派生した言語です。そして、ドイツ、オランダ語・英語などのゲルマン諸語にも文法や語彙の面で大きな影響を与えています。ということでいかにラテン語が重要な言語であるかということがいえます。
ラテン語といって個人的に思い出すのはアニメ「魔法先生ネギま!」です。赤松健先生の漫画作品『魔法先生ネギま!』を原作として、2005年1月から同年6月までテレビ東京系で放送されていました。
アニメの中にもラテン語の呪文などがでてきますが、各話のタイトルの副題にもラテン語が添えられています。そのラテン語はラテン語の格言です。参考までに各話のサブタイトルのラテン語の格言と意味を紹介します。
1話 「Asinus in cathedra」「教壇にロバ」(能力以上の役目を引き受けると悲劇が生まれるという意味。)
2話 「Omne initium est difficile」「すべての始まりは困難である」
3話 「Amantes, amentes」「愛する者は正気を失う」
4話 「Nullus est instar domus」「わが家にまさる所なし」
5話 「Fama volat」「噂は広まる」
6話 「A fronte praecipitium a tergo lupi」「正面に絶壁、後ろに狼」(板ばさみになる)
7話 「Fallaces sunt rerum species」「見かけで判断するな」
8話 「Omnes una manet nox」「誰もが同じ夜を過ごす」
9話 「Te capiam, cunicule sceleste!」「いたずらウサギよ、捕まえてやる!」
10話 「Ubi concordia, ibi victoria」「協力すれば勝利する」
11話 「Cum tacent clamant」「黙しているときは叫んでいる」
12話 「Aut disce aut discede」「勉強しろ、できないなら出て行け」
13話 「Tamdiu discendum est, quamdiu vivas」「たくさん勉強できるのは、生きている間だけである」
14話 「Amicitiae nostrae memoriam spero sempiternam fore」「私たちの思い出にある友情が永遠であることを望む」
15話 「Amicus certus in re incerta cernitur」「確かな友は確かでないときに見つかる」
16話 「Amor tussisque non celantur」「愛と咳は隠せない」
17話 「Nihil difficile amanti」「愛する者に困難はない」
18話 「Amor ordinem nescit」ラテン語の格言で「愛に秩序はない」
19話 「Verba volant, scripta manent」「言葉は飛ぶ、文字は留まる」
20話 「Nisi credideritis, non intelligetis」「信用しないと理解はできない」
21話 「Nil desperandum!」「希望を捨ててはいけない」
22話 「Difficile est tristi fingere mente jocum」「悲しい気持ちでふざけるのは難しい」
23話 「Memento mori」「死を思い出せ」
24話 「Et arma et verba vulnerant」「武器と同じくらい言葉も人を傷つける」
25話 「Mors certa, hora incerta」「死は確実だが、時期は確実ではない」
26話 「Non mihi, non tibi, sed nobis」「私やあなたのためではなく、私たちのために」